外の作業が始まりました(主題:有機と有機転換期間中の違いについて)
最近はあまり雪が降ることもなく、温かい日が何日も続く週があったことで降雪量と比べて積雪量は少なめの年となったようです。今年は毎年行っている作業以外に追加でやらなければいけない作業の予定が既に幾つか決まっており、なかなかに高密度のスケジュールが待っていそうで今から戦々恐々としている次第です。
とまぁ嘆いていても春はやってくるもので、既にハウスの中の除雪作業が始まっています。先ほども言ったように積雪量自体は思ったよりも少ない為、今現在の進み具合は上々と言ったところでしょうか。この時点で出来るだけアドバンテージを作っておきたいのですが、さてさてこの先はどうなる事やら。日々祈りながら作業を進めて行きたいと思います。
さて、去年は晴れて有機JAS認証を受けることが出来た記念すべき年だったのですが、今年は去年よりも有機JASの水稲を作付けする量を増やすこととなりました。具体的には有機ななつぼしを去年よりも131aほど増やすことにしています。去年のななつぼしは「有機転換期間中」という作り方自体は有機JASと何も変わらないのですが、有機管理をしてから丸2年が経過していない圃場で作付けしていたものとなっていました。
今回はその有機転換期間中の田んぼと一緒に、去年緑肥を植えていた有機田んぼの2枚で作る事となっていて、去年の約2倍の量のななつぼしが採れる予定となっています。やはり有機圃場というのは慣行圃場よりも収量がかなり落ちるものなので、緑肥によって地力が維持されている田んぼがどれだけ伸びるかに期待しているのですが、その分肥料の調節が難しいので無駄にならないやり方を模索していこうかと思っております。
この転換期間中というのは有機と比べてなにか作り方が劣っている訳でもなく、ただ継続的に有機管理がされているかどうかの判断が出来る程度のものなので、区分としてあまり意味がないじゃないかと思ってしまいそうですが、有機管理の在り方として非常に重要な意味があるのです。
一年目から正式に有機JASと認める形をとってしまうと、その次の年に有機管理をやめて慣行圃場に戻して、別の圃場で有機作物を作ることが可能になってしまいます。そうなると、元有機圃場で除草剤などの農薬をまいて、またその次の年に有機圃場として作るというサイクルを取れてしまいます。農薬で草の種を処理してから有機作物を作れてしまうので、比較的雑草が少ない形で作付けを行うことが出来ます。
その場合も勿論その年には農薬を使っていないのですが、一年おきに農薬を使っているので残留農薬という点では継続的に有機管理をしている圃場と比べて問題視されると考えられるでしょう。有機管理というのは信頼のもとに成り立っているので、その保証として同じ圃場で繰り返し有機管理を続けるという形をとっているわけですね。
その分、有機作物を作るハードルは高いものになってしまいますが、あまり慣行と有機を近い位置に置くと、杜撰な管理に繋がる可能性があるのでこういう形をとっているのだと私は考えています。
これから有機作物に関してもどんどんと課題が出てくるでしょうが、出来る限り続けていこうと考えておりますので、皆様の中で有機JASのお米に興味がある方がおりましたら是非注文を頂いてご賞味下さると幸いでございます。
また次回
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