今年は田んぼの面積が大きく増えました(主題:田んぼが増える理由と意味)
年月が経つにつれて、様々な変化が生じるというのは世の常である。普段いつも通りの日常を過ごしていているとそれが当たり前のようにいつまでも続くと思いがちですが、ある時大きな変化というものが必ず訪れるものなのです。
という訳で、今年は田んぼの面積が9ha分増えることとなりました。具体的な話をするならば50mの育苗ハウスで約4棟分、田植えの作業日数で言うならば1台5人で3日分、収穫できるお米で言うなら約54000㎏です。通常の米農家さんが抱える面積が大体30~40haである事を考えると、9haというのが結構なものだというのが分かると思います。
いやはや農家というのは横の繋がりがなかなかに重大な要素になっているもので御座いまして、農道の管理や農業用水の適切な譲り合い、繁忙期での作業場の混雑整理など自分の仕事が他の農家さんの仕事と重なり合ってしまう場面に多々出会うのです。当然そんな状況で円滑に仕事を進めるにはお互いに良好な関係性を作っていく事が必要で、そうなると必然的に横の繋がりが強くなるわけです。
さて昨今の農家というのは残念なことに高齢や後継者不足などの面で離農する方々が多く見受けられます。それによって何が起きるのかというと抱えていた土地の売買が行われるのですが、折角今まで面倒を見てきた農地を渡す訳ですから、自分の手を離れた後もきちんと管理して欲しいと思う方が大半です。その為どんな管理の仕方をしているかをある程度知っている人というのが候補に挙がるのですが、その判断基準となるものが農家同士の横の繋がりになるのです。
そんな横の繋がりの延長線上で我々の会社に幾つかの田んぼが回ってきたという話なのですが、我が社も法人という形態をとっていますが、今ある形を大きく変えるような作付けをすることは容易ではありません。その為、苗の株間を広げて植える疎植や、種のまま田んぼに直接撒く直播などで限られた人手や育苗ハウスの数を補う方法が重要になるわけですね。
それでも単純に効率が倍になったりするような画期的な方法はないので、様々な方法を組み合わせて活用していく事になります。(同じ方法が大半を占めると失敗した時にリカバリーが大変という理由もあります。)
長々と言葉を連ねて来ましたが、話を単純にまとめると人から土地を頂く場合ならただ貰って終わりという話ではないという事です。それは自分たちの仕事をきちんとしなければならないというのも勿論ですが、土地を売ってくれた人の信頼を裏切るような真似をしてはならないという話にもなります。
という訳で結論として我が社の面積は増えましたが、心持としては今までと変わらずの責任をもって農作業を行っていきたいという話でございます。
これからまだまだ変化は訪れるとは思いますが、有機作物の拡大も含めて精進していきますのでよろしくお願いいたします。
また次回
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