白雪に鈍色の鉄が通るブロンブロンと耳をつんざく駆動音。冬特有の乾いた空気の臭いと排気される軽油の臭いが混じり合い、寒さで滅入る身体を一層強張らせながらレバーを握る。 前方で回転する鉄の刃は、そんな持ち主とは裏腹に「ウォーミングアップが終わったところだ」とでも言いたげな様子で雪を喰らい、10m先...