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田植えまであと三週間(主題:有機栽培と特別栽培)




 温床ハウスへのポット伏せ込みも終わって五月に入り、田植えまで含めて春の作業が全て終わるまであと一か月となりました。これから田起こし、肥料撒き、代掻き、田植えと怒涛の勢いで物事が進んでいくので正念場の始まりといったところでしょうか。

 さて、今回は我が社で両方とも栽培している有機栽培と特別栽培の違いについてお話します。


 始めに特別栽培とはなんだというと、簡単に言えば化学肥料と農薬を減らした栽培を行った作物の事です。これには明確なガイドラインが設定されており、それぞれの生産地域で使われている化学窒素成分肥料・農薬の一般的な量と比較して50%以下に使用を抑えることで認められるようになります。

 つまりは肥料の一部を有機肥料にしたり、使用農薬を半分以下にすることで条件に収まります。そして特別な認可も必要ないので、始めようと思えばその年から始める事が出来るのも特徴です。もちろん慣行栽培と比べて肥料代が高くなったり病気や害虫の対策が難しくなるので安易に栽培するのはお勧めできませんが、半分とはいえ農薬を使うことが出来るので気をつければ大きな問題が起きることは少ないと言えます。


 一方有機栽培は窒素成分以外のリン酸とカリも化学肥料を使用できないし、農薬も原則として使用する事が出来ません。また、どんな資材を使ったか明確な記録をとっていかなければならないので、コストも作業も特別栽培米よりもずっと扱いが難しくなります。その中でも農薬が使えないということは、雑草、病気、害虫というすべての問題から作物を守らないとならなくなるので、どうしても慣行栽培と比べて製品率が極端に下がってしまうことになります。また有機作物として販売するには定められた認証機関に判定を受けて丸2年の期間を必要とするので、栽培を決めてすぐに販売を行うことが難しいのも特徴になっています。有機作物は値段も相場よりも2倍~3倍の価格になってしまうのは、その手間とリスクを考慮して決められている訳です。


 基本的に有機栽培と認められているものは特別栽培よりも厳しい条件で作られていると考えて問題ありません。しかし、特別栽培の方は作り手のこだわりによって化学肥料と農薬の割合が変わりますので、そこに注目するのも良いでしょう。特別栽培で農薬を使っていない人もいて、その場合「栽培期間中農薬不使用」の表記をしていることが多いです。

 因みに、我が社と周辺農家の方々と協力して栽培している沼田町特別栽培米生産者の会の「ななつぼし」は減農薬、「ゆめぴりか」は期間中農薬不使用という違いがあります。


                                            また次回




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