夏の気配が見え隠れ
沼田町一大イベントの夜高あんどん祭りも終わり、やっとこさ朝と夜の気温が下がり始めた今日この頃。しかし、本日8月31日は最高気温33℃をマークするといった風にまだまだ夏の気配というのは完全に無くなってはいないようだ。
相も変わらず汗を垂れ流しながらトマト収穫に勤しむこの頃ではあるのだが、週に一度のペースで涼しげな仕事が舞い込んでくるようになった。
そう。雪室の雪の補充である。ダンプで運ばれてくる大量の雪解け水を滴らせる組み立て式のコンテナは、最早手慣れた様子で雪貯蔵スペースへと滑り込んでいく。直ぐ様重苦しい扉を閉じると、束の間の涼しさが一気に現実へと引き戻され、体から汗が滲み始めた。
ふと庫内の温度計を見ると、13℃とメモリがさしているのが見える。初めの頃に比べると、かなりスムーズになったと思われるこの補充作業だが、やはり庫内の温度というのは若干上がってしまうものらしい。まぁあと30分もすればまた10℃前後に戻るだろう。
それにしてもこの作業が週に一回というペースの気温というのはいつまで続くのだろうか。北海道で猛暑日という言葉を聞くなんて思いもしなかった十年前が懐かしく感じられる。いや、北海道以外の場所では酷暑日という言葉が使われ始めているのだからある意味ではバランスが取れているのかもしれないが、そんな事でバランスをとるくらいなら元の気温に戻してほしいというのが本音である。
とか言っている間に雪室の扉を開けて中に入る。
うーん涼しい
このお米たちはこんなに良い環境で過ごしているのかと嫉妬する。いや、ずっとここに居たら普通に寒いのだが、それはそれとして羨ましいと思わずにはいられない。ここまでの好待遇で居られるのだから、さぞこいつらは美味しさと鮮度を保っているのだろう。
それぐらいしてもらわないと困るのだよ君たち~と少し脅迫めいたセリフを吐いて扉を閉める。庫内で回る換気扇の音が鈍く小さく響いていた。
ああ、また汗が滲んできた。現実逃避はこれくらいにして、また炎天下の仕事に戻るとしよう。ダンプに残る雪が見る見るうちに融けていくのを眺めながら、日差しの中で帽子を被りなおした。
また次回
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