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絶賛加工中

農家というのは冬は暇なもの、というのも最早過去の話。やって参りました加工の季節です。菊芋を切っては乾燥させ、更に粉にする。仕事に終わりなどありません。世の中というのはそんなものです。ナマケモノにはつらいですが、生きていくには動かねばならないので甘んじて受け入れていきましょう。

 しかし、農家として就職をしたつもりが、営業や加工作業などの変わり種をすることも多いので、戸惑う人も多いかもしれませんね。私はそこまでではないのですが、そんな声が偶に聞こえる事があります。ですがそのおかげで冬にも安定した収入を手にする事が出来るわけですから神様仏様菊芋様、と手を合わせておきましょうか。地獄よりは極楽のほうが幾らかマシです。

 姉は血を吐く、妹は火吐く、可愛い私は粉を挽く。

 風車を回し、水車を回し、隣で回すはハムスター。

 さて、話は物凄く変わりますが、ゴールデンハムスターというのは今市場に出回っているものは全てたった十二匹の子孫から生まれて増えていったものだというのはご存知でしょうか?

 今から90年くらい前にシリアで発見された彼らは、人の手によって大量に養殖され世界中に散らばって生きているのです。そのたった十二匹以外には過去も未来も野生のゴールデンハムスターは発見されていません。こんなにも人間の技術が発展し、世界の隅から隅までを見渡せる時代になろうとも、野生の彼らを見つける事が出来ないのです。

 ああ、なんと不可解な生き物だろうか。神の気まぐれで作られたかのような神秘性を感じます。もしその十二匹以外の遺伝子を持っていない野生のゴールデンハムスターを見つけたならば、神の尻尾を掴んだも同然です。高見の見物をしているあいつを引きずり落とすチャンスです。

 そうして勝ち誇った表情で神に言ってやりなさい。

「俺んちのハムスター見に来ない?」ってね。

                                    次回に続く

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