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チョコっとなマーケティング


 さぁやってまいりました。今日は2月14日バレンタインデーです。

 なんでも「好きでした!」と叫びながら鬼に向かってカカオ豆を投げつけて福を祈る日だとか聞きましたが、なかなかにファンキーな行事ではないですか。殺し文句が過去形なのが憎いですね。可愛さ余って憎さ百倍感がひしひしと感じます。これだけ愛されれば鬼も本望なことでしょう。

 冒頭の茶番はこれくらいにして本題に入りましょうか。今回はバレンタインデーの話です。

ここまで全部行事的な話だけど来年の今頃は何を書くんだろうか……

 そもそもバレンタインとはローマ人の司祭の名前です。大体日本でいう神父の事ですね。教区と呼ばれる一部の地区を担当するといえば結構偉そうにみえるでしょうか。実際なかなか偉い人ですが。

 そんな司祭様が殺された日というのが、今のバレンタインデーです。死んだ日に自分の名前が付くというのもどんな気分なのか分かりませんが、まぁ当人は死んでいるのだからそのあたりは関係ありませんか。

 さぁ、殺されたというのが今のほんわかとしたバレンタインのイメージとずれてしまいますが、何も悪いことをしたわけではありません(一般的には)。当時、皇帝であるクラウディウス2世は、強兵策として兵士の結婚を禁じるという決まりを打ち立てていました。結婚すると兵士が軟弱になるという考えから出来たものらしいですね。

 しかし、それに反対したのがカップル大好き皆のキューピットことバレンタイン司祭。「そんなわけないだろ」と命令に背いて兵士の結婚を促していきます。当然トップの言うことを聞かない人間が放置されるわけもなく、西暦270年の2月14日に殺されてしまったというわけですね。それがええ話やと絶賛されてバレンタイン司祭は死後一躍有名人となり、ローマカトリック教会ではその日が祝日となるほどの影響を与えたわけですね。

 しかしまぁ、結婚を禁じた皇帝もやり方を間違えてしまったものです。単に結婚すると兵士が軟弱になるという言い分で納得する人はあまりいないでしょう。でもまぁ、愛する者が出来るとそれが弱点として利用される可能性もありますし、死にに行くような兵士という立場の人間に恋人を作るのも理不尽な死に別れという悲劇を生み出しかねません。そういう方向性で兵士を気遣うような強兵策として結婚を禁止していたら、バレンタインデーが生まれることもなかったかもしれません。

 皇帝という立場によって思い人を殺された男が、自分のような悲劇を生まないように断腸の思いで兵士の結婚を禁じる。恋人と結ばれるために反対する者、皇帝と同じ境遇を持ち賛同する者。様々な者たちの思いが錯綜し、揺れ動く国と民。そんな素敵な話が頭に思い浮かぶではありませんか。……浮かびませんか? ああ、そうですか……残念……

 話を戻して1958年の日本。とあるチョコレート会社が、「バレンタインセール」と銘打って、チョコレートを売り出し始めました。結果は三日間でチョコ五枚という惨敗。しかし、その結果にめげずに翌年、ハート型のチョコレートを作り、女性から男性へとという現在の形を作って売り出し、それを見た製菓大企業が大規模な広告をして徐々に浸透していったのがバレンタインデーのチョコレートなのです。恐るべしマーケティングの浸透力ですね。他にも有名どころではコカコーラ社のサンタクロースでしょうか。あのおじさんを赤く染めたのはコカコーラなんですよ。元は緑だったとか聞きますが、人の服の趣味にケチ付けるとは、液体のように実に腹黒いやり口ですね。私も見習いたいです。

 というわけで。実はバレンタインデーとチョコレートはあまり関係がないという事実を知っていただけたでしょうか? しかし、企業が作り出した告白の習慣と、バレンタインが目指した自由な結婚という意味では、近い所があるのかもしれませんね。

 というわけで今回はバレンタインデーの話でした。

 PS

 除雪作業もうそろそろ始まるということで、ぼちぼちと農作業らしい仕事が出てくる季節となりました。果たして私が農作業のついてのブログを書けるのかどうか。未来の自分に期待しておきましょうか。

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